経営が行き詰まって相談にいらっしゃる経営者から見せていただく「決算書」や「試算表」の99%が粉飾決算をしています。つまり殆どが粉飾してある財務資料だと言うことです。
二十数年前の自分のことを思いだしてみました。
嘘八百で纏められ粉飾している財務資料を基にして、いくら一所懸命頑張って経営していたとしても、嘘の数字をベースにして事業計画を立て毎日懸命に頑張っていたとしても、何処まで頑張ればいいのか、事業の目標も定まらないし、会社を経営することも懸命に働いている目的さえも見えない状況では、まるでケージの回転車の中を必死で走るハツカネズミのようなもので、無駄にエネルギーを消耗するだけで、一向に前進することがありませんでした。
いくら頑張って働いていても、利益を生むことが出来なかった企業体質は、一体、何が原因だったのかさえ、明確にならないまま、資金繰りが行き詰まりました。
取引先が超一流の大手企業でしたから、資金繰りが苦しくなると金融機関から借入することによって何度も危機を乗り切っていましたが、少なからず売上が微増していたので借入ができていたものの、気がつくと売掛金、商品在庫など【資産の部】の数カ所で粉飾を繰り返していました。
金融機関からは、売掛金の回収率を高めることや、商品管理を徹底して在庫を減らすことを何度も指摘されていました。
改めて当時の資料を見直してみましたが、倒産した時点のメインバンクからの借入残高は、定期預金と相殺するとほぼゼロになっていました。
今になって思い起こすと、メインバンクだった金融機関の融資窓口では、全ての状況がお見通しだったのだと思います。
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