三千年の歴史

  針灸の技法に即した強力な癖血除去を主体とする「ビワ療法」の種々の技法は、現在、病の主原
  因である気滞と療血に対応できる即効療法として用いられています。
 
  実に約2800年の昔に、釈迦が病める肉体を『大薬王樹』(枇杷の木)で救うと説き、特に枇杷葉を
 『無憂扇』と名付け、生ける者全てを救う力ありとして経典に記され、仏教の広がりと共に中国へ渡り、
 針・灸・薬草等と合体調和し、日本へは仏教伝来(1500年前)と共に伝えられ、今日に伝承された最
 古の療法です。奈良朝時代に日本に伝来し、天平2年に光明皇后が創設された『施薬院』には、枇杷
 療法の原点にあたる枇杷葉を用いた治療の記述が残っています。
 
  難病や奇病に苦しむ人々はさらに工夫をこらして、いろいろな活用方法を考えました。「枇杷風呂」
  「枇杷葉湯」「枇杷焼酎」「金地院療法」等ですが、特に難病には「枇杷葉温圧療法」がより効果的な
  方法として用いられていました。これは、枇杷の葉の上でお灸をするというごく簡易な方法ですが、
  陰陽論で言う「陰」の「枇杷の葉」の中のアミグダリンその他の成分が、「陽」である「モグサ」の遠赤
  外線の熱によって皮下の患部にまで効果が達するという単純ですが一般的な方法です。
 
 
 民間療法として

  ビワキューは古くから伝わる民間治療法でもあり、疲労回復、血行をよくする、筋肉のつかれを取る、
  筋肉のこりをほぐす、神経痛の痛みの緩和、胃腸の働きを活発にするなど、昔から庶民が気軽に利
  用していました。
 
  また、治療の特徴は、手軽で簡単、家族が皆で使える(ビワ温圧灸、お灸、温冷療法)、自然療法で
  副作用がない、温灸範囲が広くツボを外さない、熱くなく、あとを残さず気持良い、自宅療法で実に
  経済的な点などが上げられます。
 
  その効果は、温圧効果、灸効果(モグサ効果)、ビワエキス(アミグダリン)効果、裸体効果、殺菌効果、
  温冷効果、陰陽効果が技術的な背景となっているのが、今日まで営々とで続いている理由なのでしょう。
 
  治療方法には、陰陽打ち抜き灸、良導絡灸、裸体灸、ブレイン・コントロール灸、、即効灸などの技法が
  ありますが、東洋医学の自己調整法、気学・食養法、呼吸法、体位矯正法、足心法、陰陽法、などと併
  用することによって、更に効果が上がると言われています。
 
  最近では、枇杷から抽出したエキスを、簡便な器具を用いて治療することができるものがあるので、
  誰でも効果の上がる自宅療法ができるのは朗報と言えます。