リーマンショックの影響が醒めやらぬまま、再び欧州連合の経済破綻が噂されている昨今です。
自らの力で経営を立て直す術を見いだせない小規模の下請け企業経営者の悲哀は
心を痛めるものがあります。
親会社から言われるがままに信じて受けていた仕事が、一方的に打ち切られてしまったのでは
たまったものではない。
親会社の横暴さに共感はできるものの、多くの下請け企業が必ず直面している構造的な
経営姿勢をなぜ変えようとしないのか。
○○ショックといわれるような大きな経済変動があると、いつも同じ状況を繰り返し、
数百、数千の小規模企業が淘汰されていく。
その中のひとりの経営者として、押し寄せる荒波に藻掻きながら、
消えかかる自分の会社を再生できない焦燥感におののき、
家族にも相談できずに「The owner lonely」のドラマを繰り広げることを避けられるように
しなければなりません。
日本の70%超の企業が慢性的に赤字であるという由々しき問題がある中で、
税理士は経営者に対してどのように指導しているのかが気になるところですが、
経営者も自分自身が置かれている現状を冷静に判断せず危機的状態を気づかないようであると、
時はすでに遅く、後退することも前進することもできなくなっている場合がしばしば見受けられます。
何が問題なのかと言えば、経営者の根本的な考え方を変えないままで、
売上増や経費削減に挑んだところで、赤字体質から脱することは不可能に近いのです。
イノベーションを避け、いままで慣れ親しんできた仕事への取り組み方を当たり前のように
継続していくことは確かに楽かも知れません。
しかし、それでは危機的な状況からいつまで経っても脱却することができないばかりか、
家族からも社員からも相手にされない、独りよがりの孤独なピエロになってしまうことになります。
苦難は人を強くすると言いますが、恐れずに状況を理解して苦難から逃げずに乗り越えられると、
人はそれを乗り越えたことが懐かしくさえ思えるゆとりが持てるようになるのです。
◆ファミリービジネス(中小企業)カウンセラー
「孤独なピエロ」となって誰にも相談できずに苦しみ続け、強迫観念に身動きができなくなり、
追い詰められる。そして、その辛さに耐えきれなくなり、自ら生命を絶とうとしていた経営者が、
「私は、縁があって巡り会えて良かった!・・・・」と、リスクカウンセラーとの出会いを大切に
思ってくださっている言葉に、勇気とパワーが湧いてきます。
企業の中に働く従業員のカウンセリングをしている「産業カウンセラー」「キャリアカウンセラー」
は、年ごとに増加しつつあり、その役割の大切さが社会的に認知されるようになってきました。
一方、ファミリービジネス(小規模な零細企業)の経営者、家族、その従業員に対して
対応しているのが『リスク・カウンセラー』なのですが、残念ながら認知度はまだまだです。
『リスク・カウンセラー』は、キャリアカウンセラーが企業内の就労者の組織と人の関係を
熟知しているように、小規模企業の経営実態を熟知し、しかも、経営者が必要としている専門家の
ネットワークを配しながら経営者の支えとなっています。
目の前にある急流に、助けを求める声さえも出せないまま流されていく人を発見したとき、
木の枝を差し出してしっかり掴まってもらい岸に引き上げ、火を焚きながら衣服が乾くまで
温かな飲み物を準備するぐらいのことは、通りがかりの人間として誰もが当然することだろう。
それを思うと『リスク・カウンセラー』には多くの言葉は必要ではないのかもしれません。
知らんぷりしてその場を看過して走り去っていたとしたら、恐らく一生涯悔い続けていたかもしれません。
故意の交通事故から生還した目の前にいるクライアントの笑顔を見られる幸せは、
カウンセラーにとって百千万の光を放つ目映い光にさえ見えてきます。
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