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Vol.111

 
  「終活」と社会的なハンディを考える!

 「彼らは勝ち組・・・・」「このままでは負け組で終わってしまう・・・・」「私たち、勝ち組」などという人。

 何に勝ってるのか、何に負けてるのかは世代や環境や生い立ちなどによってに異なるので、理解に苦しむところですが、勝っている・・・・、負けている・・・・と、自分や他人のことを「勝ち組」だとか「負け組」という枠組みの中に入れて比較し、羨望や、悔やみ、恨み、憎みや諦めの感情をもって「終活」を進めている人もあります。

  「勝ち組」とは社会的地位、学歴、生活形態、健康、資産に恵まれ、円満な家庭が営まれ社会的スキルが高い人を指して言うのでしょうか?

 俗に言う“富裕層”に属する人々が「勝ち組」とも思いません。富はなくても日々の生活を穏やかに過ごしている人が、自分は「勝ち組」・・・・と、感じている場合もあると思います。

  『終活』の話をするとき「勝ち組」とか「負け組」とか言っている場合ではなく、誰もが必ず関わらなければならないことで、自分では避けたくても家族からすれば重要な問題であることは事実です。

 しかし「終活」の一つ一つを誰もがしなければならないと言うことではないし、したくてもできない人も沢山います。

  「リスク・カウンセラー」が、しばしば接することになるのは【社会的なハンディー】を負っている状況にある人です。

 ある日突然、中小零細企業が倒産すると、経営者と家族、従業員とその家族にとって、経済的なハンディーが生じます。

◇職(収入源)を失ってしまった人
◇自然災害で全ての財産を失った人
◇予測ができなかった事故や病気で伴侶を失った人、◇身体に障害が残り自由に行動できない本人と伴侶
◇離婚問題や親族内のトラブルを抱えた人、
◇過大な保証債務を負っている人
◇住居を失ってしまった人
◇社会的に迫害を受けている人

 など・・・、社会生活を送りながら少しずつ自分の「終活」を積み上げてきたのに、終活プランと実績が、一気に崩れ去ってしまったとき自分ならどうするだろうか。そんなとき、自分自身の気持ちをどのようにして整理したらいいか途方に暮れる状態に誰もがなるでしょう。

 人生の終末に向け、どのように立て直せばいいのか将来への望みが絶たれるわけですから、一人で考えるのは厳しいものがあります。

 混乱する精神状態は、未体験者には想像を絶するものばかりですが、「リスク・カウンセラー」や「終活カウンセラー」に寄り添ってもらうことで、悩みや段取りが整理され問題解決への取り組みもスムーズになることでしょう。
  
●社会的弱者や年長者への尊敬の念をもって!

  思わぬ事から社会的弱者になってしまった人への「終活カウンセラー」の役割には大きなものがあり、受容・共感・傾聴の態度により心が開かれ、カウンセラーの提供する情報が理解しやすくなれば、一旦絶たれてしまった「終活」の再構築で復活し、まだ「終活」に取り組んでいなかった人も新たな人生設計ができるようになります。

 繰り返しますが社会的弱者には、経済的弱者、身体的弱者、精神的弱者、性的弱者、交通弱者、買い物弱者、災害弱者、情報弱者・・・・等々、快適に生活している者にとっては当たり前のことだからと『上から目線』による言動は絶対に慎むべきことです。

 相談者が知らない「終活」の情報を伝えるときにも最大限の注意を払うべきことです。その人の人生における「終活」の考え方は人さまざま。

 特に年長者には尊敬の念をもって接することと、十分な時間をかけて相手の不安を取り除いて差し上げるお手伝いができるリスク・カウンセラーとして、また、終末期を豊かな気持ちで過ごせるような“終活プラン”作りもお手伝いしたいと考えています。