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Vol.101

◆たまゆら(玉響)のごとき人との出会い

 
 

◆たまゆら(玉響)のごとき人との出会い

 
 



 人生を省みたとき、いくつかの節目で区切ることができますが、悩みやトラブルを抱えた人々と

接しているリスク・カウンセラーとしてのいまが、25年間と一番永くなっていて、あと25年先、

30年先になる90歳代半ば(現時点の自分の夢)に向けて、

凜として、しかも楽しく日々を過ごせる天から授かった格好な仕事だと感じられるように

なってきたことは、本当に幸せなかぎりです。

 「船の上に生涯を浮かべ…」の俳人・松尾芭蕉の旅人として飄々と生きる姿を想像すると、

何もかも自分の力で切り拓いているなどと穿った気持ちをもった時があったことを恥ずかしくさえ

思い起こしています。

人との瞬間の出逢いを大切にするということは、それぞれの人が自分の心の中に育み

大切にしている「珠玉」をさらけ出してゆくことによって、一瞬一瞬の言葉や表情から

お互いの理解が深まってゆくように思えます。

「二つの選択肢に”安易なこと”と”難しいこと”があったら

、”難しいこと”を選択しなさい」という母の言葉を思い起こしては、

未だ自省と自信を繰り返しながらの人生を、いたずらに時間をかけている私。

自分が、磨かずにくすみかけてしまった玉のときも、キラキラと照り輝きオーラのように

エネルギーを放つ玉のときも、出会う人(未知の玉)と玉響(たまゆら)のごとく

触れあい響き合いながら新しい世界を創り上げることが大切なのだと思えます。

◆自省し、風のごとく飄々と生きたいと思うとき…

言葉が過ぎたか?表現がまずかったかな?などと思ったら良寛和尚の『言葉についての戒め』

を書いたページを読み直します。

1、言葉の多い事
2、話の長い事
3、手柄話をする事、
4、自分の生まれや身分の高い事を人に言う事
5、人がものを言い切らないうちにものを言う事
6、たやすく約束をする事
7、人に物をやる前に何々をやろうと言う事
8、物をやった事を他の人に言う事
9、よく知らない事を人に言う事
10、悲しんでいる人の前で歌を歌う事
11、人が隠している事をバラす事
12、目下の人を軽んじる事
13、部下に荒い言葉を使う事
14、心にも無い事を言う事


 そして、良寛和尚の俳句や短歌には、自分を描くエンディングノートのヒントがあるようにも感じている

昨今です。

『世の中に まじらぬとには あらねども 一人遊びぞ 我はまされる』

『形見とて なに残すらむ 春は花 夏ほととぎす 秋はもみじ葉』

『散る桜 残る桜も 散る桜』

 松尾芭蕉・「奥の細道」の好きな書き出しの一節には『月日は百代の過客にして、

行きかふ年もまた旅人なり。船の上に生涯を……』と、繰り返し口ずさむほどに、

無我になれない自分の生き方に時折苦しむこともありますが、苦しみや悩みから

解き放たれて喜んでくださるクライアントの表情に救われているのも一つの自分の姿です。

 それにしても、昨今の世相は何かが異常です。

丸い○会話より三角△や四角◇の尖った会話が行き交うことが多く、譲り合い、

分け合う心を持っていながらも精神が壊れるような悲しく切ない世の中になっている。

中小企業経営者には、25年4月からの「金融円滑化法」の打ち切られることによって、

再生半ばで活動が断ち切られるかもしれない状況があります。

今であれば、リスク・カウンセラーにも手伝えることは山ほどあるのが見えているので、

現状から一歩を踏み出すことによって不可能を可能にすることだって吝かではありません。

行動は、一日でも、1時間でも早く行動することが大切です。