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Vol.36
クレジットカードがないと           
生きていけない人々を生む社会があった…

 

 

●クレジットカードがないと生きていけない人々を生む社会があった…

 
 

先日、
コイン駐車場に車を入れて戻ってきたら戻ってきたら、
ドア2枚とフェンダーがガリガリと傷を付けられ、
オマケにバックミラーまで欠ける被害に遭ってしまった。

やむなく修理のためディーラーに持ち込み、
修理中に乗る車が必要だったので
レンタカーを借りることにしました。

フロントで
「車種は何にしますか…?」の問いに…
「いま乗っている車種と同じ車にしてください…」と依頼した。

窓口の担当者から
「どこのカードをお持ちですか?」との問い。
「カードは持っていません。現金でお願いします。」と答えると
「カードをお持ちでない場合は1800ccの車種までしかお貸しできません…」
という返事が返ってきました。

あたかも…
「与信のない方(カードを持っていない方)には高級車種をお貸しすることは出来ません…」というように聞こえた。

現金の顧客より
カードを利用する顧客の方が与信度が高いということなのか…???
世間の多くの人々は
こうしてカードの便利さを感じ、
虚栄心がうずきだし…
カードの世界にはまり込んでしまうのか…と、
金融機関、金融社会が
さまざまな暮らしを強引にコントロールしている状況を垣間見ることとなりました。


経済的に破綻状態になりながらも
クレジットカードを手放せない人は実に多い。

生活に疲れ切り、
心神耗弱状態で債務超過の相談に来る人はいまでも多い。

さて、
それでは…現状の苦しみをどのように解決しようか…と、
時間をかけたカウンセリングの後、
持参してきた資料を整理してスクリーニングにはいります。


整理した資料を一緒に確認しながら…
「経済破綻の元凶はクレジットカードにあることは理解できますよね…。クレジットカードと縁を切ることを考えたことはありますか?…」
と切り出してみる。

「先生、今の私の暮らしは…クレジットカードがあるから何とか生活が出来ているんです!このカードがなくなったら……。カードを持ったまま何とか生活が楽になるように解決できないでしょうか…」
と、私に食いつくような勢いで目を剥いて訴えてきます。

「○○での買い物も、○○の交通費も、高速道路のETCカードも、インターネットも接続できなくなるし…」
と…、
クレジットカード中心の生活を断ち切るなんてとんでもないと真剣に云うのです。

しかし、
現実はというと…
クレジットカードの決済をするために新たにクレジットカードを作り、
カード会社のキャッシングサービスで借入をしていているのです。

クレジットカードのキャッシングで債務が膨れあがっている人には、
サラ金からは借り入れしていない場合もあります。

働いても…働いても…、
クレジットの決済をするために働いていて、
そのことが原因で「心神耗弱」となっていたのでは…。

クレジットカードを利用して買い物をしたりキャッシングをしたり、
その債務残高が500万円を超え…
700万円、1000万円にもなっている人もある。

バブルの時代の地位や収入を背景とした実績があるからなのでしょう。

このように…
世間では低迷経済が回復してきていると云われている中で、
未だにバブル経済後遺症から抜け切れていない
「バブル経済の落とし子」が苦しんでいます。



 

クレジットカードの所持枚数を誇るなんて…

 
 

先日、
お客様の住宅ローンの借入申し込みの手続きに立ち会う機会がありました。

申込用紙には、
勤務先、勤務年数、年収、現在の借入先と借入金残高を書く欄の横に
「所持しているカード」
という欄がありました。
いくつもの
見慣れたクレジットカード会社の名前が印刷してありました。

V社、
m社、
D社の
ゴールドカード、
銀行系のカード、
信販会社のカードなどと…
本人が所持しているカードに○を付けるようになっていました。
与信度の確認のためです。

窓口の担当者が説明していました。

「クレジットカードにはそれぞれ与信枠がありますから、それぞれのカードが100万円の与信枠があると5枚のカードを持っていれば500万円の借入があるものとしてチェックされるのですよ…。」

既に住宅ローンの借入があって、
その残高が2000万円だったとすると
カードの与信枠と併せて2500万円の合計債務があると
理解しておかなければならないというのです。

与信枠があるということは、
いつでもその枠の範囲で借り入れできるわけで…
僅かな期間で債務が発生することもあり得るからなのでしょう。

「借金も財産のうち…」
などと公然と言われていた時期もありましたが、
債務は少ないにこしたことはありません。

ですから…
クレジットカードを何枚も所持している人が
「自分はこんなにも与信度が高いのだ…」と
誇らしげに語るのは結構なのですが、
そういう人の中に、
自分が持っているクレジットカードの
合計与信枠を上回るだけの現金を持たない人がいたとすれば…
その人は債務超過になる人種の予備軍ともいえる、
とても危険なゾーンに
少し足を踏み入れているということにもなるのです。