また、老子は「知常日明、不知常、妄作凶、…(常を知るを明という。常を知らざれば、妄作して凶なり)」と云っています。これは、いつもそうであることを明察といい、そのことを知らないと闇雲にやってしまい災いに遭うことになる…と云うのです。
これは現代における会社経営において最も大切なことではないでしょうか。
経営者はもとより、顧問税理士、経営コンサルタントなど会社経営の一端を担う人は、その会社の体力が、外部からもたらされる障害に対して常に備えがある状態を確認することが大切であると云うことなのです。
『虚』と云う文字を、TVニュースや新聞で頻繁に見かけることに、多くの人々が心を痛めていることと思います。会計虚偽報告、マンション強度設計の虚偽問題、エレベータ事故の虚偽報告、自動車の欠陥部品隠し、湯沸器の欠陥隠しと虚偽の記者会見、など…「あ〜ぁ、またかよ…。」と思うようなことばかりです。
問題が起きたことが悪いのではなく、どの事例を捉えても、その問題に当たってきた経営方針→経営陣の体質→会社の体質→幹部社員の考え方→社員一人一人の考え方に、『虚』のたった一文字をないがしろにしていたという言葉しか見あたりません。
会社として、経営者として、社員として、正しくあるべき姿がどういうことであるのかをきちんと知っていてこそ、問題が起きたときに其の対処方法が自ずと導き出されるのではないでしょうか。
|