債権者のことを思い起こすと、自分が会社を倒産させてしまったという過去を声高に云うことは差し控えるべきであると思う時もあります。
しかし一方では、いま順調に事業展開していると思っている経営者には自分と同じ轍を踏んで欲しくない…と思うし、無念にも事業の継続が危ぶまれたり…危機的状態にある経営者には「再起への道」があることを知って元気を取り戻して欲しいと思ってしまうのです。
特に、債務超過で苦しんでいる人や、経営に行き詰まって逆境に立たされたと感じている人に対しては「逆境に感謝」と、考え方が変わるようにカウンセリングには十分に時間をとっています。逆境に立ったときこそこれからの夢を実現するための小さな一歩があると信じて欲しいからなのです。
誰もが自分が転んだときの痛みを感じているからこそ、幼子が転んだときに慌てて駆け寄って、転んだ時のその痛みを共有しながら…転んで傷ついた部分をそっと撫でてあげているのだと思います。そうして「チチンプイプイ…痛いの痛いの飛んでいけ−」と幼子と一緒になって天の神様(?)に向かって手をかざしました。今でも同じような光景を目にします。
そうなんです。沈んでいた人が水面に浮かび上がった瞬間には溜まっていた息を一気に吐き、何故か天を仰ぎながら大気から大きく息を吸い込むのです。「溜まった息を一気に吐き出す…」だから思いっきり新鮮な空気が吸い込めるのです。その時こそ、「生きている…」と喜びを感じる瞬間なのではないでしょうか。
我田引水かも知れませんが、「天」「天を仰ぐ」という行為が、再起への道のヒントが何処かにあるように思えてならないのです。
それと…鬱のときは下向き加減になり…天を仰ぐことさえ躊躇いがあるのは何故でしょう。
皆さんはどう思われるのでしょうか。
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